争族の対策に
遺言の目的で、最も注目されるのが相続トラブル「争族」の対策。
いつ勃発してもおかしくないのが「争族」です。
相続人(遺産を受け取る人)が2人以上いれば、どのご家庭でも起こりえます。
「うちは財産も多くないし、揉めることはないよ」
- 遺産は家と土地くらいしかなくて分割できない……
- 金額自体は少なくても、配分そのものに納得できない……
「きょうだい皆仲がいいから平気平気」
- 今まで仲が良かったきょうだいも、親というつなぎ役がいなくなり……
- 単純な勘定では等分できるけど、今までの感情のわだかまりが……
- きょうだい同士は争うつもりがなくても、その家族が……
財産が等分に割り切れなければ、相続分(受け取り額)に差が出てわだかまりが生まれます。
ほんのちょっとした差でも、過去のあれやこれやが再燃して、なかなか割り切れないのが感情です。
事実、相続トラブルで裁判所で争うことになった件のうち、約3分の1は遺産額が1,000万円以下というデータがあります。
裁判で勝って得た遺産の額より、裁判費用のほうが高くなるケースもあります。
相続は、勘定より感情なのです。
相続手続きが円滑に
そもそも遺言には、相続手続きをスムーズにする効果があります。
遺言は遺産の分割方法などを決めることができますが、逆に言うと遺言がなければ遺産の分割方法は相続人同士の話し合いで決めるしかありません。
話し合いで全員が合意しない限り相続手続きは進まなくなります。
ただでさえ手間のかかる不動産や口座の手続きも全てストップしてしまいます。
この過程のせいで「争族」となってしまったら、家族には大変な苦労をかけてしまうことになりかねません。
「終活」が普及した昨今、家族に迷惑をかけないために遺言を、という方も増えてきています。
遺言は、家族への想いやりを形にできる素晴らしい制度です。
相続人以外に
相続人以外に遺産を渡したい場合にも遺言は活躍します。
お孫さんに残したい、という場合もそうですね。
現在お一人で相続人がいない場合は、上記のような「争族」とは無縁かもしれません。
ですが、そのままではせっかく築き上げてきた財産は全てお国のものとなってしまいます。
お世話になった人へ。
応援している団体へ。
相続人がいない時、遺言があなたの意思を継ぐ最大の手段となります。
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