「終活」に「まだ早い」はありません。
「終活なんてまだ早い」
「必要な時になったらね」
終活についてお話をしているとよく聞く言葉です。
では逆に、いつなら終活をすべき時なのでしょうか?
終活なんてまだ早い?
群馬県前橋市の行政書士みけねこ事務所、萩原(はぎわら)です。
というわけで、今回は終活をするタイミングについて。
冒頭で例に挙げたセリフ、皆さんも使った(あるいは思った)ことがあるのではないでしょうか。
世の中では終活終活言ってるけど、自分はまだそんな年齢じゃない。
うちの両親ははだ元気だから必要ない。
では逆にいつ必要なのでしょう?
もっと年齢を重ねてから?
元気じゃなくなってから?
答えはどちらもノーです。
終焉の年齢っていつ?
まず前提として、「終活」とは人生の終焉に備える活動のこと。
もっと言えば、「人生の終焉を見つめることを通して、今をより良く自分らしく生きる活動」のことです(一般社団法人 終活カウンセラー協会による定義)。
上記の2例について考えてみましょう。
まず、まだすべき年齢ではないというパターン。
「人生の終焉」なんてまだまだ先、と思っている方に多いです。
ではその終焉は何歳なのかと言えば……そんなこと誰にも分かりませんよね。
100歳を超えるご長寿の方もいらっしゃれば、若くして早世される方もいらっしゃいます。
急病や、事故ということもありえます。
私も先天性の心臓病で就学前に手術を受けており、幸いにも成功し今も命をいただいております。
もしあの時に失敗していたら……。
終焉はまだ先という保障はどこにもありません。
砂時計を出されて「砂が落ちきったら時間切れ」と言われば、残り時間がだいたい予想できるでしょう。
場合によっては、これはまだ余裕がありそうだな、と思うかもしれません。
ですがもし上半分が隠されていたとしたら……?
元気じゃなくなって終活?
次に、元気な状態ではなくなってから終活が必要、という考え。
ここまで読んだだけですでに元気が無くなりそう、という方もいらっしゃるかもしれません。
元気がない状態、場合によっては終焉が近づいていることが分かる(あるいは宣告された)状態で、「さあ備えるぞ!」とか「よりよく生きるぞ!」と思えるでしょうか。
時間がないからこそがむしゃらに行動できる場合もあるかもしれませんが、時間がある頃から始めていればもっと色々なことができたはずです。
また、85歳以上の4人に1人は認知症、とも言われる今の時代。
認知症になってしまってからでは終活もなかなかできません。
遺言を残したいと思っていても、認知症発症後に作成したのではその効力自体が疑われてしまいます。
本当に自分の意思で書いたのか、きちんと判断ができる状態だったのかが疑問だからです。
逆にトラブルにつながる可能性すらあります。
終活は何かあってから始めるのでは遅いのです。
むしろ、何かあった時の備えとして、終活を始めるのです。
終活は早めに、元気なうちに!
終活、いつやるの?
今でしょ!
……と古いネタで滑りましたが、しかし終活をするタイミングは「今」が常にベストなのです。
これから先、どうなるかは分かりません。
どうにかなってからでは遅いのです。
ならば早めに、元気なうちに終活を始めてしまいましょう。
終活は、夏休みの宿題のようなものです。
いつかはやらなければいけないと分かっていつつも、ついつい「まだいいや」と先延ばしにして遊んでしまう。
夏休み最終日に涙を流しながら取り組むも、残る宿題は膨大、残り時間はもうない。
絵日記だの観察日記だのと言われても、今更もうどこにも行けやしないし記憶もない。
ああ、先に終わらせておけば、今になって後悔することもなかったろうに……。
終活も同じです。
先に不安なことには備えておきましょう。
その上で、やりたいこともやっていきましょう。
夏休み、もとい人生をもっと充実したものにするために。
まずは一歩踏み出すことから、終活を始めてみませんか?
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